どうも、ケータです。今日もディ・モールト楽しく料理してますか?
今日はフランス料理を食べるのに覚えておいて損は無いコースの順番についてです。
お店によってスタイルも違ってますし一概にこう!とは言えなくなって来てますが、知っている人も知らない人も今日頭の片隅に入れとくとここぞ!という日の役に立ちます。
目次
現代フレンチ主流のコース構成
現代フレンチは昔のコースよりも結構簡略化されてますが、温故知新の精神でフルコースの構成をざっと書いておきます。
かなりの皿数が出るので、フランス料理を食べるときは気持ちと時間と懐具合(笑)に余裕のあるときに行くのがベストです。そう、ここぞ!の勝負日や記念日なんかにはもってこいなんですよ。
フレンチはとってもお得なコーススタイル
全部で最大11種類程出てきます。ビックリ!!
フレンチはこのコース量と時間をかけてゆっくりと食べるので2店目、3店目と店を変えなくても良いといったメリットがあります。そう考えると実はコストパフォーマンスが高いってことが分かりますね。
一皿ずつ出すコーススタイルはロシアが元祖だった
この一皿ずつ出すスタイルはもとはロシア式サービスと言って、フランス生まれのロシア貴族お抱え料理人のユルバン・デュボワがフランスで広めたのが始まりと言われてます。
それまでフランス料理といえば、でっかいテーブルに数々の料理がこれでもかー!と並べられたスタイルが主流でした。中世の絵画なんかを見たらよくわかりますよね?
そう、中世のテーブルに華々しく並んだ料理はどれもこれでも冷めてしまってるんですね汗。気温低い地域であんなに料理を広げてしまっては当然の結果です。
このスタイルに一石を投じたのがデュボワさんだったわけです。デュボワさんはロシアでの職務を全うした後、フランスに帰って夢だった自分のレストランをオープン。その時このロシア式サービススタイルを取り入れて口コミでいいね!が広がっていったわけです。
そのロシア式サービスをフランス料理の神様エスコフィエがいいね!と採用することでいまのコーススタイルが確立されていったんですね。
コースの順番
温かいものは温かいうちに。冷たいものは冷たいうちに食べるのが基本です。
Amuse-bouche(アミューズブーシュ)もしくはAmuse-gueule(アミューズグール)
第1(プルミエ)の皿。Amuse(楽しみ)とgueule(口)から出来た俗語なので、一口のお楽しみとメニューに書いてあるお店や俗語を嫌って同じ口を意味するboucheを使う店もあります。
これは日本で言うなら先付けやお通し、突き出しと同じですね。アミューズと一緒に出される食前酒とともに食べて胃袋のスイッチをONにするって訳です。
Hors-d’oeuvre(オードヴル)もしくはEntree(アントレ)
第2(ドゥジェーム)の皿。オードブル。そう、前菜ですね。なんでHから始まってるのにホードブルじゃないんだよと思うかもしれませんが、フランス語はHは発音しないんですよ。Homard(オマール)だってHaricot vert(アリコヴェール(インゲン豆)だってHを読みません。
温かいもの冷たいもの両方ありますが、この前菜を見て次の料理への期待を膨らませるか、がっかりさせるかの印象を与えることになる大事な大事な一皿です。
前菜が期待を上回るようだと自然と会話が弾みますね!
この前菜を食べ終わった後にパンが出てきます。ハードとソフトの2種類が出てくる場合が多いですねー。
Potage(ポタージュ)もしくはSoupe(スープ)
第3(トロワジェム)の皿。これはスープですねー。ブイヨンベース、ポタージュベース、コンソメと色々とありますが、季節によって温かいもの、冷たいものシェフの工夫を凝らしたものが出てきます。ここら辺でパンを出してくる店もあります。
Poisson(ポワソン)
第4(カトリエム)の皿。ここで魚(Poisson)料理が出てきます。料理の流れによって少し重めに仕上げてあったり、軽く仕上げてあったり様々です。でも最近は魚を時間をかけて皮目をパリッとソテーして軽いソースをかけてっていうのが多いような気がします。
クリームを使って仕上げるような重いものはあまり見かけないですねぇ・・・。美味しいのに残念。
Trou-normand(トゥルーノルマン)またはGranite(グラニテ)
第5(サンキエム)の皿。ここではトゥルーノルマンといって食欲を刺激するための蒸留酒(主にカルヴァドス)か、肉を食べる前に口の中をリセットする意味で小さなシャーベットが出ます。このシャーベットは総じて糖分があまり入っていません。
Viande(ヴィアンド)
第6(スィジェーム)の皿。ここで肉料理です。肉と言っても牛、豚、鶏、鴨のような家禽からジビエ(Gibier)のような野禽まで様々にありますが、ランチコースのようなお値打ちコースなら大体鶏豚あたりがよく使われてます。そして5000円台のコースになると牛肉も使われる場合も。
Fromage(フロマージュ)
第7(セティエム)の皿。ここでチーズが出ます。チーズは事前に皿に盛り合わせたものが出てきたり、高級店になるとサービススタッフがプラッタサービスで取り分けてくれるところだってあります。
Dessert(デセール)
第8(ユイティエム)の皿。ここで女子はお待ちかねのデザートです。ホテルみたいなとこだとムースやらケーキにアイスみたいな事前に大量に仕込みをしておいて作る結構お決まりのデザートが出てきますが、町場はレストランならではのデザートが出てきます。スフレなんかお客様と調理場の導線が長いホテルではなかなか食べれないです。
Petit four(プティフール)
第9(ヌヴィエム)の皿。ここでマカロンやメレンゲ菓子、ギモーヴみたいな小さな焼き菓子が出てきます。
大きな火でケーキなどを焼いた後に小さく(Petit)火(Fou)を落としたオーブンで作れる焼き菓子をもともと出していたことからデザートあとに出てくる小菓子のことをPetit four(プティフール)と言うようになりました。他にもかわいいものの意味を持つMignardise(ミニャルディーズ)と呼ぶお店もあります。
Cafe(カフェ)
ここでシメのコーヒーが出てきます。このコーヒーも単品頼んだような通常のカップでは無くデミタス(Demi-tasse)で出てきます。
フランス語でDemiは半分、tasseは取っ手のついたカップを意味してて、通常のカップで注いだコーヒーの半分量のカップサイズです。
以上の順番が現代フルコースの構成になります。
シチュエーション別コースの構成
こっからその店によって原価やスタッフの腕、考え方、オペレーションによってコース編成が変わってきます。
お昼3500円や夜の5000円のような主力コースの場合
コストパフォーマンスの高いお店の売れ筋コースの場合、
1.オードヴル
2.スープ(場合によってはパスタ)
3.魚
4.肉
5.デザート
6.カフェ
の順で出てきます。
先ほどの肉のとこでもチラッと書きました、ここら辺はお店の原価率とシェフの考え次第でメインの肉の内容が変わってきますが、お肉料理は総じて原価を圧迫します(笑)
ソースもフォンドヴォーベースならそのお店はとてもとても頑張ってます。まぁ、具体的に話をすると料理は平均30%の原価がかかっているので、材料費で使える金額は3500円コースの場合は1050円。そして5000円コースの場合は1500円。
こうやって考えると1050円なんか油断してると家庭でもすぐにオーバーしてしまいますよね?(笑)
こんな制限がある中、キロ当たり3500円するような肉を使ったりしてるんだからシェフってすごいなぁとしみじみ思います。
赤ワイン煮のようなワインとフォンドヴォーがバンバン入っているような煮込み料理も例に漏れずかなり原価がかかっているので、お値打ちコースで出しているようなお店は本当に経営が苦しいんですよ汗。そういうまじめに頑張ってお客様のために美味しい料理を出しているお店は陰ながら応援してあげてください。
記念日プランなど10000円コースのような構成の場合
この場合には先ほどの構成にアミューズ、グラニテ、チーズorプティフールが追加されます。店によってはテーブルワインが付いて来ることも。
このコースまでくると使える食材費が3333円になるので結構自由に構成することが出来ます。和牛だってフォアグラだって使えちゃいますよ。
今日のくくり
これでコース料理の構成はなんとなく覚えることができましたね。このページをメモっておけばいざというときに参考になること間違いなしです。それに今のお店はちゃんと日本語でメニューも書いてあるのでそんなに気張らなくても大丈夫ですしね。
それでは今日もディ・モールト楽しい料理を!