最近フキ料理にはまっているケータです。
田舎では今の時期になるとそこらじゅうからフキがニョキニョキと顔を出します。年中生えているものですが、香りと苦味を楽しむためには新緑の春でないといけません。
今回はお茶漬けにごはんの友に最高のパートナーフキの佃煮。一般的にきゃらぶきと言われるもので、長期保存が出来る優れもの。
佃煮ってスーパーで購入してしまいがちですが、こういう手作りのものが食卓にちょっと並ぶと凄い喜ばれますよ。
何でフキの佃煮とは言わずにきゃらぶきと言うのか
フキを醤油などの調味料で伽羅色に煮たものをきゃらぶきと言います。でも日本でいう伽羅色って明るめの茶色なんですよね・・・完成したきゃらぶきの色は黒に近い緑色。ここで一つの疑問が。
これは日本の伽羅色では無く別の意味があるなと調べたところ、どうも仏教でおなじみのサンスクリット語(インドの古典用語)の意味の黒色というニュアンスのほうが近いことが分かりました。
私的にフキを醤油などの調味料で黒い色になるまで煮たものをきゃらぶきと解釈するようにしました。
フキって実はふきのとうの茎の部分だった
フキといえば、フキの下の妖精コロポックルが有名ですが、このフキってふきのとうの茎部分だってことは知っていましたか?
冬の終わりに顔を覗かせるふきのとうは言わばフキの蕾も良いとこの部分。放っておくとかわいらしい花を咲かせ、やがて種となり風や小動物などに運ばれて子孫を増やします。
フキの佃煮を作るときの注意点
フキは食物繊維の塊。普段煮物などで食べるときには短時間煮るだけなので皮をむかないと繊維が口の中に残って食べ難いったらありゃしませんが、佃煮にする時はまた別。皮が無いと食感も悪く、煮崩れたようになり美味しさがダウンします。
フキの茎の根元部分がコの字型になっている部分は繊維が少ないので、佃煮にした際に煮崩れの原因になります。茎の根元部分が付いていたらカットして煮物に使うようにしましょう。
材料
- ふき ・・・10本(細めのもの)
- 米のとぎ汁(ヌカでもOK) ・・・適量
- 濃口しょうゆ ・・・200ml
- 砂糖 ・・・大さじ2
- 清酒 ・・・50ml
- みりん ・・・大さじ1
- 水(好みで) ・・・50ml
作り方
1.フキは葉を落とし、良く水で洗う。フキ表面に産毛が付いているので粗塩でこすって産毛を落とす。高い塩を使わなくても安い食塩で十分です。始めは真っ白だった塩もアクと産毛で真っ黒になってきます。
2.フキを全部擦り終えたらフキをしっかり水洗いします。煮物にする場合は産毛を取ったりする必要はありませんがきゃらぶきは皮ごと春の恵みを頂くもの。ここでしっかりと下ごしらえしましょう。
3.洗ったフキは太い茎のほうから長さ3cmにカットする。
4.鍋に米の研ぎ汁を入れ中火で沸騰させ、3でカットしたフキを入れ火を止める。このまま粗熱が取れるまで置いておき、粗熱が取れたらフキを取り出し今度は水の中に入れて半日置いてアク抜きをする。
5.アク抜きしたフキを良く水洗いしたあと鍋に入れ、レシピの1/2量の醤油と砂糖、清酒を入れて落しフタをして弱火でフキが柔らかくなるまで煮る。フキが柔らかくなったら一旦火を止め、半日ほど置いて煮汁をフキに含ませる。
一回目煮て煮汁を煮含ませたらこんな状態です。まだフキの色が結構残ってます。
6.煮汁を含ませたフキの鍋に残りの醤油とみりんを加え落としフタをし、弱火で煮汁がなくなるまで煮る。煮汁が無くなったら落しフタを外し日を強めて汁気が完全に無くなるまで汁気を飛ばす。
汁気がなくなるまで煮汁を飛ばしたらこんな感じ。完璧に伽羅色ですね。
今日のくくり
もうね、作ってからというものこのきゃらぶきがあるだけで白米が止まりません。シャリ大好きっ子、シャーリーズ・エンジェルの誕生です。
佃煮って結構時間がかかるものなので2日にかけて作ると良いでしょう。ゆっくりと時間の取れる時、連休を使って上手に作るのがオススメです。フキは6月の始めで時期も終わってしまうのできゃらぶきを作るのは今が絶好のチャンス!是非トライしてみてください。
もうすぐ山椒の実が生る時期ですので山椒の実を佃煮にするのもオススメです。
それでは今日もディ・モールト楽しい料理を。