アマトリチャーナと言えば、赤。これはもうイタリアンではスタンダードではないでしょうか。
このトマトを使ったアマトリチャーナってもとはトマトの入らないものが元祖だと言う事はあまり知られていないのではないでしょうか。
今回はそんな白いアマトリチャーナの作り方をご紹介しますよ!
アマトリチャーナはアマトリーチェ村出身者の故郷の味だった
今ではローマ名物になったマトリチャーナですが、もともとはアマトリーチェ村出身の人が郷土の味をローマで再現したものが最初と言われています。この赤いアマトリチャーナに使われているトマトがイタリアで広く使われるようになったのは18世紀以降。
それまでトマトはその鮮やかな赤い外見が悪魔を彷彿とさせることからトマトは毒のある悪魔の実として考えられ、観賞用で栽培される程度。
このトマトが広く料理に使われるようになった18世紀以前からアマトリーチェ村近くのグリシャーノ村ではトマトの入らない白いアマトリチャーナが愛されていたのです。そうなるとこのグリーシャ風のものがアマトリチャーナの元祖と言えますね。
ローマではこの2つを区別するために白いアマトリチャーナをグリーシャ風と呼んでいます。
グリシャーノ風アマトリチャーナの特徴はたっぷりのチーズとグアンチャーレ
白いアマトリチャーナの特徴はタップリのペコリーノチーズとグアンチャーレという豚のほほ肉の塩漬けで作るシンプルなもの。山間の村ならではの保存食を用いて作ったパスタは先人達の知恵の結晶と言えるでしょう。
現代のアッサリしたパスタとは違い力強いエネルギー溢れる味わいなので、家でガッツリとしたパスタが食べたい時は調理法のシンプルさも相まって家パスタのスタンダードになること間違いなしです。パスタも少し太めのものをチョイスするとより美味しさが増しますよ。
材料(2人分)
- スパゲッティ(1.7mm)・・・200g
- パンチェッタ(無ければブロックベーコン)80g
- ペコリーノチーズ ・・・30g
- にんにく ・・・2片
- ローリエ ・・・2枚
- エキストラバージンオリーブオイル・・・大さじ4
- 無塩バター ・・・大さじ1
- 荒挽き黒胡椒 ・・・お好みの量
この料理にはチーズおろしが必要になります
作り方
1.パンチェッタ(ベーコン)はその食感を生かすために長さ3cm、5mm角の拍子木切りにする。ニンニクは皮をむいた後、包丁の腹でパンッと叩いておく。ペコリーノチーズはチーズおろしですりおろしておく。
2.深い寸胴鍋にお湯を張り、1Lに対して10gの塩を入れ溶かした後パスタを茹でる。標準時間よりも1分程前に茹で上げる。
3.冷たいフライパンにオリーブオイルを入れニンニクを入れたら弱火でニンニクがキツネ色になるまで火を加える。
ニンニクの香りが立ったらパンチェッタとローリエを入れ中火にし、ベーコンの旨みをオイルに移すように炒める。ベーコンがカリカリになるまで炒めると食感を損なうのでカリカリになる少し手前まで炒めること。
4.ベーコンがカリカリ手前まで炒まったらローリエとニンニクを取り出す。パンチェッタの脂の量によってここで油脂を調整してやること(最初に入れた大さじ4杯程度の油脂量がベストです。)。油脂を調整したらパスタの茹で汁を100cc加え、ソースをかき混ぜてトロッと乳化させる。
5.4のフライパンに良く水気を切ったパスタを入れ中火にし、無塩バターを入れ、バターが溶けるまで混ぜ合わせる。バターが溶けて乳化したら火を止め、1でおろしたチーズを3回に分けて入れ、その都度チーズが馴染むまで混ぜ合わせる。ここでしっかりと乳化させることでチーズとパスタとの絡みが良くなり更に美味しくなります。
6.お皿にパスタを高さが出るように盛り付け、残った具とソースをパスタの上からのせ完成。好みで黒胡椒とペコリーノチーズをかけて召し上がれ。
今日のくくり
いかがでしたか。シンプルだからこそ基本をしっかり押さえることで更に美味しいパスタに仕上がります。
パンチェッタの旨みをオリーブオイルの中にしっかりと出してやること
ソースをしっかり乳化させること
仕上げのチーズを入れしっかりと合わせること
このポイントをしっかりと押さえて美味しい白いアマトリチャーナを作りましょう!
それではディ・モールト楽しい料理を。