どーもケータです。今日もディ・モールト楽しく料理してますか?
今日は基本中の基本である包丁の使い方。うちの母は左手の添え方を間違ったまま慣れてしまってるので生傷が絶えないですよ。
基本を教える人が居ないと間違ったやり方が習慣づいてしまうので後から修正しようと思ってもなかなか修正ができません。
身近に基本を教える人が案外居ない料理の世界。
こういうちょっとしたことが料理の世界は本当に多すぎるので・・・高い高いハードルになりどうやって料理したらいいのか分からない、怖くて料理をしたくない!ってなっちゃうんですよねー汗
そんなあなたのハードルを私は取っ払いたいので、是非毛嫌いせずに今回の記事を見ていってくださいね。基本を知ることが料理上手の近道になりますよ。
目次
和食と洋食の包丁の違い
私はフレンチコックですが、包丁の握り方は和食、洋食ともに大きな違いは無いです。が、洋食はシャトーむきをするときやトルネといってマッシュルームの笠に渦巻き状の切り込みを入れる際の独特な持ち方もあります。
トルネしたマッシュルーム。通称トルネシャンピっていうのはこういうやつですね。
シャトーむきってのはこういうやつです。ハンバーグなどの肉の付け合せによく付いてますよね。
シャトーむきのシャトー(Chateau)はもともとお城に似てるからシャトーむきといわれるようになったそうですが・・・
ぜんっぜん似てないんですよ。コレを最初にシャトーと言い出した人は相当なロマンチストです。
私はこのトルネとシャトーが得意です。ホテル時代に一日2000個とか一人で剥いていたので慣れました。
包丁の各部位の呼び方
包丁といっても場所によって呼び名があります。私は専攻が洋食なので、洋包丁の各部位の名称です。
切っ先
この部分で野菜の芯をくりぬいたり、肉の掃除をする際に筋を起こしたり、魚をおろす際にもこの部分を主に使うのが重要です。
刃先だけを使って薄い素材を引き切りする場合なんかにも使う。またトルネをする時にこの切っ先を使ってする人も居ます。
刃先
和食、洋食に限らずこの部位で押したり引いたりして切ります。私の場合はこの刃先を使ってキャベツのコールスローやタマネギのみじん切り(フランス語でアッシェ Hache)をしたりします。
切れ味のいい場所でもあるので白髪ネギのように切り難くしかも極細切りにする場合もこの刃先を使います。
洋食だと肉の筋引きをする場合もこの刃先を主に使って引きますね。
刃元
硬い野菜を切る際や、魚の骨や肉の軟骨を叩き切ったりするのに重宝する場所。柄に近い分コントロールが効く場所でもあるので野菜の皮をむいたりするのに使います。
また洋食ではこの場所で主に押し切りをするのが一般的です。
アゴ
刃元よりも更に厚みがある部位なので、硬い骨を叩き割ったりすることが出来ます。またニンニクやジャガイモの芽を取り除いたりするのに重宝する場所です。
腹
ここはニンニクや生姜などを叩き潰したりすることが出来ます。また魚や肉を腹で叩き伸ばすことでカルパッチョのように極うすのシート状にすることも出来ます。
峰
ここはサヨリなどの皮の薄い魚の皮をむいたり、アナゴのぬめりをしごき落としたりするのに便利です。またゴボウの皮もこの峰を使ってむきます。
峰打ちの峰はここから来てるんですね。
『安心しろ。峰打ちじゃ。』って言われても、こんな部位で思いっきりやられたんじゃ骨折や打撲は免れないでしょう(笑)
口金
口金は家庭用のものでは付いて無いものがほとんどですが、口金のあるものをおすすめします。この口金がハンドルが割れるのを防いでくれます。またここは汚れが溜まりやすい場所でもあるので、口金と刃が一体のもののほうが衛生的観点からしてもお勧めです。
柄もしくはハンドル
和包丁のように木材で出来たものや強化プラスチックまたは刀身とハンドルがオールステンレスで出来ているものもあります。
衛生面で考えると木材よりもプラスチックのもの。プラスチックよりもオールステンレスのものが安心です。
持ち手が木材のものはどうしても食材のドリップや汚れが染み込んでしまうし、管理が下手だと最悪割れてしまいます。こうなっては新しい柄に替えないといけないのでまたお金がかかってしまいます。最初から強化プラスチックのものかステンレスのものを選びましょう。
あと柄と刀身が取れないように鋲が打ってあるのですが、家庭で使うような安価なものはこの鋲が2つ。私達が使うような耐久性を重視したものはこの鋲が3つ打ってあります。
柄尻
柄の一番端の部分。柄尻がステンレスで強化されてるような包丁では、この部位を使って魚を捌くときの目打ちをしたりします。
しのぎ
一番最初のイラストの青字の斜線の部分をしのぎと言います。ここを砥石を使って削ることで包丁の切れ味が戻る訳です。
しのぎを削るっていう言葉はここから生まれたんですよ。
このしのぎが削れて落ちるほど激しくバトルしたわけですね。
洋包丁の持ち方
食材の硬い柔らかいなどの用途によって持ち方が変わってきます。最初は持ち方に苦労するかも知れませんが、長いこと料理をしてるとこの食材にはこの持ち方が一番ベストだろうっていうのが分かってくるので、地道にコツコツと行きましょう。
基本の形
こうやって柄をバランスよく握るのが基本の持ち方。和食の場合はこの持ち方を基本にして柄全体を握るのではなく、親指と人差し指の横っ腹で刃を挟み込むようにして残りの指で柄を握って固定するように持ちます。
刺身などを薄切りにする場合は人差し指を峰に添えてやることで手首も固定することができ、刃のブレ幅が少なくなるのでより正確に食材を薄くスライスすることが出来ます。
芯をくりぬく時の持ち方
トマトやタマネギなどの比較的柔らかい食材の芯をくりぬく場合は包丁の切っ先を人差し指の横腹と親指で固定してやります。
このようにして持ちます。
この持ち方の利点は、切っ先より下にある指がストッパーの役割をして食材に突き刺さりすぎることを防いでくれるので、切っ先をコントロールし易くなるメリットがあります。切っ先がコントロールできないと怪我のもとなります。
シャトーや野菜の皮をむく時の持ち方
これはペティーナイフを使ってシャトーむきや食材の皮をむく時に用いる洋食独特のもち方でかなり特殊ですし、慣れていないと常に恐怖心がつきまとうし、正しい知識が無いと手を切ってしまう持ち方なので家庭ではオススメしません。
が、知識として覚えておくとどれだけシャトーむきが難しいものかという指標にもなるので紹介します。
このような持ち方ですね。包丁の刃が手前を向いています。包丁の動きを熟知していないと高確率で手のひらを切ります。
この持ち方は薬指と小指で包丁を手のひらに押し付けるように支えています。これで綺麗につるっとした表面のシャトーむきを作るんです。
今日のくくり
色々包丁の持ち方を紹介しましたが、基本の形とその派生の人差し指を峰に添える持ち方をマスターすれば今までよりもっと料理の幅が広がって更に料理が楽しくなってきます。
最初は難しいかもしれませんが、みんな誰しも通ってきた道ですので地道に一歩一歩進んでくださいね。私も応援しています。
包丁の持ち方は理解できた。しかし左手の添え方やまな板に対する姿勢なんかはどうしたらいいかさっぱり分からんという人はこちらの記事が参考になるかもしれません。
参考→包丁を持つ際の左手の添え方とまな板に向かう姿勢はどうしたらいいの?
それでは今日もディ・モールト楽しい料理を。