数日前から手作り燻製のサイトをジーーーッと眺めており頭の中が燻製でイッパイになっております。
というのももうすぐ年の瀬ですよ年の瀬。年の瀬といったら、お歳暮。お歳暮と言ったら私のようなアラフォーは漏れなく
『お歳暮=ハム』
『ハム スペース シルベスタースタ〇ーン』とグーグル先生で検索をしていただければすぐに分かると思うんですが、お歳暮にはハムと言うイメージになったのは大手精肉会社のコマーシャルの影響です。刷り込み効果って怖い。
贈答用のロースハムってかなりお高いでしょ?1箱500g程度で4000円はくだらないです。でも手作りすると、なんと!
100g98円(参考:近所の業務用スーパー)
コレは安い!100g98円なら4000円分となるとなんと堂々の4kg。素晴らしい。
これは安く上がる!と思い立ち、年の瀬にむけて素振りがてら作ってみた訳です。
え?燻製って難しいんでしょ?って思ったあなた。驚くほど簡単ですよ。
正直手間はかかります。トータル10日~14日位かかったりします。しかしかけた手間なんかチャラになるくらい美味しいんですって!この味を知らないなんて人生の半分は損してますよ!それ位ウマイ。
作るにあたって参考にさせてもらったサイトがコチラ⇒簡単!本格手作りハムの作り方
緊急指令ブロック肉を入手せよ
ハムを作ろう!でもブロック肉ってどうやって入手すればいいんだ!と思う方も多いでしょう。これを解決するには近くのスーパーや精肉店などに連絡して、
『ロースハムを作りたいのでブロック肉を下さい!』
と言えば簡単に手に入ります。
これは冷凍になっているものでも構いません。現に大手のハム会社さんは冷凍のお肉を使ってハムに加工しているところもありますので全然問題なしです。
私は個人店を経営しているので、豚の背ロースを使っていますが、家でハムを作る場合には業務用スーパーでカッチカチの豚肩ロースのブロックを購入するのが安上がりで、しかも美味しいです。
材料
豚ロース肉 ・・・1kg 塩 ・・・・80g 砂糖・・・・25g ブラックペッパー粗引き ・・・・30粒 好みのハーブみじん切り ・・・・適量(今回はローリエ1枚、ローズマリー2枝、タイム6枝 赤ワイン ・・・・360ml ●サクラスモークウッド ・・・・1/2本
●ピートパウダー ・・・・20g
●消毒用アルコール
●衛生用使い捨て手袋
これがピートパウダー。これを入れるのと入れないとでは出来上がりの味にかなりの差が出るそう
今回使ったサクラのスモークウッド。チップよりも扱いがラク!冷燻用にも使えます
作り方
1.丈夫なビニール袋に塩、砂糖、赤ワイン、ブラックペッパー粗挽き、みじん切りにしたハーブ、赤ワインを入れ口をしばり、材料が溶けるまでひたすら振り混ぜる。混ざったら手袋をして、先ほどのビニール袋に肉を投入し中の空気を出来るだけ抜きつつ・・・口をぎゅっとし縛る。冷蔵庫で一週間寝かせる。1日毎に袋を軽く揉んだ揉んだしてあげると万遍無く浸かります。
全部ぶっこんでシェイクするとこんな感じになります
ビニールに入れた豚肉に・・・
ドバーッと入れます。見た目的には全然美味しくなさそうです(笑)
2.1の工程で1週間寝かした豚肉を取り出し、流水で表面を洗い流した後、水を張った容器にドボンと浸け、6~8時間ほど塩抜きする。6時間過ぎたあたりから30分毎に端を少し切ってみてフライパンで焼いて味見をすると確実。塩がちょっと薄いかな・・・?くらいがベストです。(後で余分な水分を抜く工程があるため)。
3.塩気が抜けたハムの水分をキッチンペーパーなどで拭き取り、ピチッとシートを巻いて1日冷蔵庫で脱水。シートが無い場合ははだかんぼうのまんま冷蔵庫へGO。
ピチッとシートを巻いた状態がコチラ。効率良く脱水できます。
1日水分を抜いた状態のロース肉。脂の面が上に来ているので分かりづらいですが、表面の艶感が無くなり程よく水分が抜けています。
4.煙の乗りを良くする為に1時間50~60度の温度で熱乾燥させた後、スモークウッドとピートで1時間半~2時間燻製する。
スモーカーをガスコンロの上にセット完了
蓋がかみ合わないのでアルミを噛まして煙が逃げないようにしています。
直接スモーカーをガスコンロに乗せて肉をセットし、60℃で1時間乾燥。こっから忍耐勝負です。
スモークウッドに着火後ピートを振りかけてウッドもセット完了
開始5分位で一度火が消えていないか確認すると確実です。着火がうまくいってないと消えてることがあります。
60~65℃の間で1時間半~2時間燻製。温度が下がってきたらコンロに火を着けて調整します。
燻製し始めて1時間半経過のロース肉。すでに旨そうです。
5.燻製後1時間ほど放置した後に70℃~75℃のお湯で1時間ほど熱処理する。
家庭だとそのまま茹であげますが、お店という特権を活かしてシーラーで空気を抜いてパック後スチームコンベクションで1時間熱処理。
6.熱処理したら熱を断った後、冷蔵庫で2~5日乾燥させて出来上がり。
とても旨そうな切り口。
フランスパンを焼いて、薄くスライスしたハムを乗せて食べると本当にウマイ!苦労に見合う味です
まとめ
根本的に市販のハムとは味が違います。これは本物を作った人にしか分からない極上の味ですよ。
もうね、市販のクズ肉を寄せ集めて結着材で固めたハムには戻れません。しかもコレが大人喰いできるなんて!
厚切りにドンッと切ってハムステーキなんかもう最高ですよ!是非トライするしかないです。
こんなんBBQに持って行った日にはもうヒーロー(笑)
出来上がった愛しいわが子(ロースハム)達は親戚の家に嫁いでいき、親戚家族に笑顔と幸せな時間を提供してくれました。
既製品のハムを送った際は、
『いいもの送ってくれてありがとねー』
と例年通りだったお礼の電話が、
『なんじゃこりゃ!こんなに旨いハム初めて食べた!』
と、やたらハイテンションなお礼の電話になりました。こんなに興奮気味でお礼言われたら最高ですよね。
後日談、ハムを作り続けてかなりレベルアップ
2017年の10月終わりにこのロースハムの記事を書き、更に5回ほどロースハムを作り、更に旨く、ジューシーに仕上がるようになりました。
変更点としては、漬け込み塩の中に亜硝酸塩を入れた事。
昔から発ガン性が叫ばれてる亜硝酸塩ですが、国の安全基準よりも更に少ない量しか入れません。
具体的に言うと、肉1キロに対して20グラムしか入ってません。0.2%ほど。
なぜ、亜硝酸塩を入れるのかと言うと、まず、ボツリヌス菌などの食中毒リスクを減らせること。
飲食店は食中毒は起こしてはならない最悪のリスクです。この食中毒リスクと安全性を天秤にかけた結果やはり亜硝酸塩は必要だと言う結論に達した訳であります。大手ハムメーカーさんも口にしないだけでちゃんと使ってますよ。食品成分表示を見たらしっかりと書かれてます。
この亜硝酸塩に代わるものがあれば一番ベストなんですが、現状無いそうなのですよね。実際欧州では亜硝酸塩の添加が義務付けられてます。
亜硝酸塩を入れないとあの加工肉特有の風味も出ないので、亜硝酸塩を入れない加工肉なんて加工肉じゃないと言う人も居ます。知り合いにも居ます(笑)
2つ目の変更点は、サクラのウッドからヒッコリーのウッドに変更したこと。
サクラは結構癖が強くて酸味も増すので、繊細な豚の背ロースには向いてないなと感じたのです。
3つ目の変更点は燻製後の加熱温度を70℃から65℃に下げました。
下げることで脂身は甘く、肉はしっとりジューシーになり食感も良くなり、更に保水力が上がった為か、塩味もマイルドになりました。
やっぱり数回作ってみんとわからんもんですね。