絶品ローストポークを炊飯器の保温モードで作る プロの簡単レシピ

豚肉塊画像

どうも、
前回のローストポークの作り方はどうも小難しすぎる!という声をいただきましたので今回は簡易版の炊飯器を使って作るローストポークです。

この方法ならフライパンやオーブンで仕上げる方法に比べてハードルがグンッと下がります。肉塊に火を入れる際に気をつけるのは温度。ローストをするのに中心温度計は必須になります。

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炊飯器で作るって言っても具体的にどうやるの?

炊飯器を使うと言っても普段私達が使っている炊飯モードだと肉がパサパサの灰色ゾンビ肉になってしまうので、炊飯器の保温機能を使ってジンワリと時間をかけて調理するのが今回のローストポークになります。

保温モードの仕組みを知ろう

人差し指画像

この保温モードはその名の通り、ご飯を保温していつでも美味しいご飯を食べるための便利な機能です。この保温機能の温度って一体何度なんだろう、長時間保温してご飯が傷んだりしないの?と思ったことはありませんか?

一昔前だったら長時間ご飯を保温しておいたらご飯が真っ黄色になってすごく臭くなった記憶がある方もいるかもしれません。
私の母の実家のおばあちゃんの家のご飯は結構黄色くなってて劣化した味がしてたなぁと懐かしくなります(笑)ホント独特な味になるんですよ。

この保温モードの温度帯てのは時代によって温度にばらつきははありますが、おおむね60~70℃です。ではなんで各メーカーさんはこの温度帯にワザワザ設定しているんでしょうか?詳しく見ていきましょう。

保温機能の温度は食品衛生法の一般細菌死滅温度がベースだった

菌画像

この温度ってのは現在の食品衛生法の『中心温度65℃で30分加熱すると一般性細菌は死滅するので安全ですよ。』っていうのが元になっています。これはワクチンを開発し予防接種を世の中に広めたパスツールが提唱した長時間低温殺菌(パスチャライズ法)が大元になってます。

パスチャライズ法(パスチャライゼーション)とは?

このパスチャライズ法はその名の通り長い時間をかけて殺菌する方法なので、高温短時間殺菌するよりも素材の風味や栄養分が損なわれにくいというメリットがあります。

中国地方の方はこのパスチャライズって言うワードを乳製品売り場で見かけたことはありませんか?そう、木次パスチャライズ牛乳っていう牛乳が売られてますよね?白をベースに黄色と赤のパッケージのあの牛乳です。

あの牛乳はこのパスツールが提唱したパスチャライゼーションを用いて牛乳を長時間低温殺菌してるのでおいしいです。ちなみに短時間殺菌法をステアリゼーションと言います。一般的な牛乳などに用いられている製法ですね。

お肉を長時間低温で火を入れるとどうなるのか?

豚肉塊画像

たんぱく質は急激に火を入れると肉の繊維が急激に縮んでしまうので、お肉の細胞内にある水分がどんどん外に流出してしまいます。例えるなら生肉の細胞は絞る前のタオル。急激に加熱した後の肉の繊維はぎゅっと絞ったあとのタオルのような状態です。

タオル絞る前画像
これが加熱前の生肉の状態だと思ってください。水分パンパンに吸って嬉しそうですねー♪

タオル絞った後画像
そしてこれが絞り上げた後。もはや水分全部もってかれてカスッカス。タオルの繊維も縮みあげて硬くなっております。

この現象が肉の繊維一本一本の中で起こります。そりゃあ出来上がった肉はパサパサで硬く、旨み成分も薄く美味しくないです。

しかし、肉を60~70℃の温度でじんわり加熱すると肉の繊維が縮みにくく水分を保持したままたんぱく質が緩やかに変化していくので、柔らかくジューシーに仕上がるんです。

じつはプロもこの低温調理を多用している

料理してる女性の画像

by samsungtomorrow

家庭では炊飯器の保温モードを使って調理しますが、プロもオイルバスや今流行りのANOVAのような低温調理器を使って温度が一定に保てる機械で全く同じように調理しています。プロ用の機械は温度が細かく設定できてしかも現在の温度が表示されます。これをお店では低温調理とメニューにうたって出していたりするんですね。

炊飯器は温度表示がされないので温度計で度々温度を測る必要があるのがデメリット。炊飯器の温度は60~70度と幅があるので、65℃で2時間加熱するのと、70℃で2時間加熱するのでは雲泥の差が生まれるんですね。家庭で低温調理するには温度計が必須になります。

今回のポイント

ポイント画像

前回の記事同様冷凍の豚肉のブロックを使うと下ごしらえを含めると数日かかるので、生の豚肉ブロックが欲しい場合は事前にスーパーの精肉部や精肉店に電話して用意しておいて貰うと良いです。

ニンニク1片って書かれても初心者の人には分かりづらいのでニンニク1片てどのくらい?の記事を見てもらえば分かりやすいです。

ハーブはなるべく乾燥のものではなくフレッシュのものを使いましょう。香りが天と地ほどの差があります。

材料

  • 豚肉ブロック ・・・500g
  • ニンニク ・・・1片
  • ローズマリー(生のものが良い)・・・1枝
  • タイム(生のものが良い) ・・・1枝
  • 塩 ・・・5g
  • 胡椒 ・・・好みで
  • ピュアオリーブオイル ・・・大さじ2
  • 温度計

作り方

食材切ってる女性画像

1.ローズマリーとタイムの葉っぱを枝から丁寧に外す。外した葉っぱは包丁でザクザクとみじん切りにしておく。ニンニクは皮をむいて芽を取り除いたあと、縦半分に切っておく。

2.みじん切りにしたハーブと塩を良く混ぜ合わせて、豚肉ブロックに良く擦り込む。ブロック肉に包丁の切っ先を2cmほど差込み4ヶ所切れ込みを作り、その穴にニンニクを差し込む。差し込んだら豚肉にラップをして1日冷蔵庫で味を沁み込ませる。

ここまでが前日の下ごしらえになります

3.豚肉を冷蔵庫から取り出し常温に戻す。フライパンにオリーブオイルを入れ、強火にし、常温に戻した豚肉においしそうな焼き色をつける。焼き色を付けたら丈夫なポリ袋の中に、豚肉と、熱伝導率&しっとり感を上げるためのサラダ油を30ml入れ、水を張ったボールの中に浸け、水圧を利用して袋の空気を全部搾り出した後ぎゅっと袋の口を縛る。

4.炊飯器に3の豚肉を入れて、60℃程度のお湯を張ったら保温ボタンを押す。ここでアツアツのお湯を張ってしまうと肉が硬いローストポークになってしまうので60℃程度がベストです。

5.炊飯器のお湯を時々測りながら65℃をなるべくキープしつつお肉の中心温度が65℃になるまで加熱し、さらにそこから30~1時間加熱する。お肉の周りはお湯の温度が下がるので、都度お湯をかき混ぜて温度を一定にしてくださいね。

6.粗熱をとって出来上がり。最後に表面の肉汁と血をふき取ってから表面に再度焼色をつけると尚GOODです。

ローストポーク2

こんな感じの色に仕上がれば大丈夫です。おいしそう!

今日のくくり

ハワイ画像

by Christian Arballo

高いお肉を美味しく調理するのは誰でも出来ます。素材が良ければ大きく失敗しない限り美味しく仕上がるものです。しかし安いお肉もこうやって時間と手間隙さえかけたら素晴らしい美味しさになるんですよ。このローストポークがそのいい見本だと思います。

炊飯器を使うと料理の幅も広がり、しかも結構放置してても美味しく仕上がるのですごいオススメです。
今日の夕飯に是非作って見て下さいね。私の友達はおうち女子会にこのローストポークを持って行ったところみんなビックリしたそうですよ。私、勝ち組になりましたって喜んでました(笑)

このままでも十分に美味しいのですが、やっぱり美味しい肉には美味しいソースが欲しくなります。私のオススメは絶品和風ソースとホテルで人気があったレシピそのままのポリネシアンソースがとても美味しいですよ。

参考→和風ハンバーグソース 激ウマレシピ ステーキハウスのシェフが教えるおうちでも出来る店の味
参考→肉に合う絶品ソース ホテル特製ポリネシアンソースが家庭の材料で作れるよ

それでは今日もディ・モールト美味しい料理を。

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