今週は難しい揚げ物をきっちり揚げるコツ。まずは揚げるの簡単なところからチャレンジという事で、鶏と野菜の春巻きです。
これを見ればきちんと色よくカラッと揚げることができるようになります。そして講師はシンプルで美味しい中華料理を分かりやすく教えてくれる宮崎耕一さんです。
もうね、この宮崎先生は見てて安定感があります。
揚げ物は温度が結構難しい
困った時の強い味方のひとつ揚げ物ですが、揚げるのは結構難しいですよね。
厚みのある材料だと中まで火を入れたら衣は真っ黒。そして薄い材料だと衣が綺麗に色が付いた頃には火が入りすぎて固い。
家で敬遠するのもうなずけます。大体揚げ物は買って済ます人も多いのではないでしょうか。
揚げ物入門編春巻きのコツ
春巻きはあんを皮で巻いて揚げた料理。こういう具と周りの皮が別パートで出来る揚げ物は初心者の方にうってつけ。
低温の状態で油の中に入れ、徐々に温度を上げながら高温まで持っていくことで、色よく揚がりカリッサクッとしたクリスピーな食感になります。
餃子や春巻きのあんを作るときのポイントはあんに野菜類を入れる前にしっかりとあんに味をつけることがポイントです。
そして皮であんを巻くときも皮はふんわりとゆるく巻きます。これが皮をパリパリにあげるコツです。皮同士がくっつかないし餡にあまり触れないので水分を含みにくくなり皮がパリッとなります。
イメージとしてはブルボンのお菓子ルマンドみたいな感じです。あれもクレープ記事をゆるく巻いているのでパリパリサクサクですよね。
ああいう感じが理想です。
材料
今回珍しいのはセロリが入っていること。香りの強いセロリが入ることで美味しさが更にUPしますよ。
番組ではセロリの皮をむいていませんでしたが、口の中に残るのでしっかりと皮はむいてくださいね^^
そして卵も事前に炒り卵にしてあんの中に入れちゃいます。今回のあんは鶏ミンチが主体なので揚げるとぎゅっと固くなってしまうミンチ肉にフワフワっとした食感をプラスさせるために炒り卵にして入れちゃいます。
- 鶏ひき肉 ・・・・100g
- 卵 ・・・・1個
- タマネギ ・・・・50g
- セロリ ・・・・50g
- 片栗粉 ・・・・大さじ1
- 春巻きの皮 ・・・・10枚
■あんの味付け用
- 塩 ・・・・一つまみ
- 胡椒(白か黒お好みで) ・・・・適量
- 紹興酒(無ければ日本酒)・・・・小さじ1
- 濃口しょうゆ ・・・・小さじ1
- オイスターソース ・・・・小さじ1/2
- ごま油 ・・・・小さじ1/2
■皮同士をくっつけるのり
- 小麦粉 ・・・・大さじ1
- 水 ・・・・大さじ1
油 ・・・・適量
揚げ油 ・・・・適量
作り方
1.セロリは皮をむき、荒いみじん切りにする。縦に5mm幅の棒状に切ったものをまとめてから端からトントンと刻んでいけば簡単に荒いみじん切りになります。あんになる材料ですし、ちょっとゴロゴロっと材料が入っていたほうが食感もUPするので結構アバウトで大丈夫です^^
タマネギも同様に荒いみじん切りにする。
2.みじん切りにしたセロリとタマネギをボールに入れて片栗粉をまぶしよく混ぜ合わせる。ここで野菜に片栗粉をコーティングしておくことであんとの絡みが良くなります。そして中身の旨み成分や水分が外に出るのを防ぐ効果もあります。
3.卵を菜ばしで溶いて卵のコシを切った後、少量の油を入れたフライパンで炒り卵にする。
4.ボールにひき肉、塩ひとつまみ、胡椒を入れ、粘りが出るまでよーーーく練る。毎回毎回言ってますが、ひき肉を練るときは必ず塩を入れてから良く練ることが重要です。こうしないと粘りが出ずミンチ同士ががっちりと結合しないので割れの原因にもなったりします。そして味も乗りにくいです。
粘りが出たら、醤油、紹興酒を加え、液体が馴染むまで更によーーく練る。オイスターソースを入れたらまた更によーーーく練り、ごま油を入れて、またごま油が馴染むまで練る。
大変な作業ですがこの手間が料理には重要です。頑張って練ってください。愛情を注ぐことで料理は更に美味しくなります^^
5.4のボールに2で片栗粉でコーティングした野菜、炒り卵を入れ、ザックリと混ぜる。
ここでしっかりと混ぜてしまうとせっかく野菜にコーティングした片栗粉が剥がれてしまうためざっくりとアバウトに混ぜたらOK。
これであんの出来上がりです。
6.皮をくっつけるノリを作る。小麦粉と水を小皿に入れ良く混ぜる。
7.はるまきの皮をで巻く。春巻きの皮はちゃんと裏表があるので、ざらざらとした側が内側に来るように皮を置き、7のあんを大さじ盛り2杯分置き、図のように折る。
具を置いて番号に沿って折りたたみ・・・
左右の皮の端が2cmほど重なるように折る。
ぎゅっと巻かずにふんわり巻いて6で作ったのりで端を止めます。
このふんわり巻きが美味しい春巻きを作るときのポイント。えっ?ゆるく巻いたら中身が出ない?と不安に思うかも知れませんが、今回の春巻きは餡がかりが入ってるわけでは無いのでドローっと餡が流れ出る心配ありません^^
巻いたものを横から見たら隙間があいている状態がベストです。
8.160℃の油の中に先ほどフンワリゆる巻きした春巻きを入れ油を優しくかき混ぜながら3~4分揚げる。
こうすることで揚げムラがなくなります。
今回の春巻きは中身のあんが生なのでちょっとしっかり目に揚げます。
春巻きを入れたときに小さな泡がプクプクと優しく出てくるようなら適温です。
分からない場合は温度計付きの物を購入するのが無難です。もしくは先ほど作ってあまったのりを少量落としてみて油の底に一旦沈んでから浮き上がってくるようだと大体160℃まで加熱されています。
揚げ油の温度が高い状態で春巻きを投入して揚げてしまうと皮全体に綺麗な揚げ色が付かず、端だけ色が付いた残念な春巻きになってしまいます。
皮全体が薄いキツネ色になったら火を強め徐々に温度を上げながら美味しそうな色になるまで約1分揚げる。
高温にすることで春巻きが油をきちんと吐き出してカラッとパリッと揚がります。
スーパーのお惣菜で売られている春巻きとは1味も2味も違う高級中華料理店の春巻きです。
急に色が付いてくるので春巻きのを取り出すスタンバイを忘れずにしてくださいね。
お皿に盛り付けて完成です。
気になるお味は?
フンワリと巻いた皮はまるで上質のミルフィーユ生地のようにサクサクパリパリ。
中身のあんも炒り卵を入れることでミンチがふんわりと柔らかい食感になって、野菜も生のまま入れて片栗粉でコーティングすることであんがべちゃっとならずにジューシー。
セロリも火を入れることであのクセのある味が柔らかくなり口の中であんの旨みがバーーンと一気に広がります^^
この旨みは先にあんをしっかり練って味をのせておかないと絶対に出ません。
今までに食べたことの無い味わいが絶品の鶏と野菜の春巻き。いつもはサブになってしまいがちな春巻きが一級品のメイン料理になりますよ。今晩のごはんに是非作って見て下さいね^^
次回はみんな大好きてんぷら丼です。お楽しみに^^